ビコリム戦争に騙されたウィキペディアの欠陥

17世紀に起こったビコリム戦争をご存知だろうか？

ビコリム戦争とは、歴史の教科書にも載っていない幻の戦いだ。

なぜ、幻の戦いかというと・・・



◆幻のビコリム戦争

インターネット上で誰もが自由に編集する百科事典ウィキペディア。

無料で閲覧可能で、情報のボリュームは一般の百科事典よりも豊富である。

分からないワードを調べるときに、利用する人も少なくない。

このウィキペディアにデタラメな記事が掲載されていた・・・


「ビコリム戦争　1640～41年、ポルトガルとマラータ王国の間で起きた戦争」。

この内容がウィキペディアに掲載されたのは、2007年7月。

実は、このビコリム戦争は架空の出来事である。

以来、約5年間、ウィキペディアには、このデタラメな記事が掲載されたままであった。

これほどの間、掲載が続いたのは、解説が詳細で、かつ歴史上ではマイナーな時代・地域だったからであろう。

マラータ王国という初めて聞くような名前の国が実在していたことも、巧妙さを高めた。

執筆者は単なるイタズラで作成しただけかもしれない。

イタズラとしては大成功で、犯人はほくそ笑んでいるだろう。


◆仕事でウィキペディアをプリントしていないか？

あなたは普段、ウィキペディアなどインターネット上の情報を鵜呑みにしていないだろうか？

ある企業では、部下に調べ物を頼んだら、ウィキペディアのプリントを印刷されたという。

部下を叱っても、本人はなぜ叱られたか分からなかったという。


ウィキペディアの知名度が高いとはいえ、所詮は不特定多数の一般人が自由に編集するものである。

掲載内容の全てが正しいとは限らないのである。

ウィキペディアの性質上、情報の正確性に疑いがあることを念頭に置いて利用すべきである。

でなければ、「ビコリム戦争って知ってるか？」なんてウンチクを得意げに語ってしまうような悲劇が起こるかもしれない。

タグ：ウィキペディア ビコリム戦争